こんにちは!通訳/ストリート英会話講師のbigtree(@bigtree1000)です。
(15年の努力の結晶。「誰にも知られず密かにペラペラになれる独学勉強法」はこちら)
通訳として世界中のいろんなところに行かせてもらえるようになって、英語ネイティブだけでなく、私たちと同じように英語が第二ヵ国語、第三ヵ国語の人たちとコミュニケーションをとる機会というのも増えました。
そして同時に、日本で英会話講師として活動しながらたくさんの日本人の話す英語を見てきました。
そこから僕が1つ気付いたことは、
日本人に比べ、英語が第二、第三ヵ国語の外国人の方がコミュニケーション能力が高い人が圧倒的に多い
ということです。そこで今日は、
- この発見に対する僕個人の見解と
- 英会話が不得意な日本人はどうすれば英語で上手くコミュニケーションが取れるのか
という点について僕なりの考えを語ってみたいと思います。
英語力と英語でのコミュニケーション能力のバランス
まずは僕がここで使っている「英語力」と「コミュニケーション能力」という言葉について簡単に触れておきたいと思います。
僕が使っているこれら2つの言葉のここでの意味は、
- 英語力:語彙力、文法、リスニング、リーディング、スピーキングの総合的な能力
- コミュニケーション能力:英語力を抜きにして、「相手の心を掴む能力」
のことです。
もちろん英語力が高ければ高いほど自分の言いたいことを正確に表現することができるので会話もスムーズになり、互いの意思疎通もしやすくなります。これは間違いないでしょう。
問題なのは逆に英語が全然できない人で、例えば日本人とタイ人でどちらも、
- 相手の話す英語が理解できない
- 自分の言いたいことを英語で表現できない
という場合に、「それでもタイ人の方が日本人に比べて相手と心を通じ合わせるのが上手い」というのが僕の意見です。
これは実際の例で見た方が圧倒的にわかりやすいと思うので、過去に僕が体験した例を紹介したいと思います。
<例①>
語学学校でスティーブ(仮)がウケを狙おうとしてアイスクリームを持ちながら変な動きをしていたところ、誤ってアイスクリームを地面に落としてしまった。
例えば上のような状況になった時、その場に居合わせた友人の隆史(仮)とジェームス(仮)はかなり違う反応を見せました。
隆史(仮):
“Hahaha! You…you…dropped your Ice cream!”
(ハハハ!お前・・お前・・・アイス落としてるし!)
ジェームス(仮):
“Hahaha! Hahahahahha! Hahahhaha!! Ohhhh~! Hahahha! Stupid! Stupid! Stupid! Stupi…”
(ハハハ!ハハハハハ!ハッハッハ!オォ~!ハッハッハ!バカだ!バ~カ!バ~カ!バ~k・・・)
そしてアイスクリームを落としたスティーブ(仮)は“Stupid!”を連呼するジェームス(仮)の首をふざけて絞めようとし、ジェームス(仮)は“Sorry! Sorry!”とおどけていました。
なんとなくシーンが目に浮かびますか?笑
ちなみに僕の目から見た隆史(仮)とジェームス(仮)の性格はどちらも同じくらい明るく、彼らもスティーブ(仮)と同じように笑いをとるのが好きな「お調子者タイプ」ですが、英語力に関しては隆史(仮)の方がはるかに高いレベルです。
実際隆史(仮)の方は“You dropped your ice cream”と5単語も使って文法的に正しい表現でリアクションしたのに対し、ジェームス(仮)の方は“Stupid!”しか言ってません笑
それでもスティーブ(仮)は“Stupid!”を連呼するジェームス(仮)に飛びかかり、二人でじゃれ合っている姿をどこか寂しげな表情で「ハハハ・・」と眺めている隆史(仮)の横顔はとても印象的でした笑
ちなみに、スティーブ(仮)もジェームス(仮)名前はアメリカっぽいですが、スティーブ(仮)はトルコ人、ジェームス(仮)はタイ人で、隆史(仮)も含めみんな出会ってからの期間は同じくらいです。
せっかくなのでもう一つ例を見てみたいと思います。
<例②>
語学学校に通う友達同士で食事に行くことになり、夕食の席でゴンザレス(仮)は各国の代表料理についてみんなに質問し始めた。
こんな場面もよくありますよね。
ここでも出席者の香織(仮)とアンジェリーナ(仮)の反応の違いが面白くて、
香織(仮):
“Umm…Do you know sushi? It’s Japanese traditional food. It’s very delicious but it’s so expensive. I love sushi so much!”
(ウーン・・・寿司を知ってますか?寿司は日本の伝統的な食べ物です。とても美味しいんですがとても高いです。私は寿司が大好きです!)
アンジェリーナ(仮):
“You don’t like my country food!”
(あんたは私の故郷の食べものなんか好きじゃないわよ!)
と、全く正反対と言ってもいいくらいの回答が飛び出しました笑
そしてこれに対してゴンザレス(仮)は、
ゴンザレス(仮):
“Why!? Why!? I don’t know your food! What is your food! Oh no~!!”
(なんで?えっなんで!?あなたの国の食べ物知らんのだけど!どんなやつなん?オーノ―!!)
とおどけて反応し、それに対して頑なに“I don’t tell you!”と言い続けるアンジェリーナ(仮)と“What is your food!”で粘るゴンザレス(仮)は週末の客でにぎわうレストランでしばらくこのやりとりを続けた後、結局最終的にアンジェリーナ(仮)が「今度私の郷土料理が食べれる店に行こう」という約束を取り付けていました笑
ちなみにゴンザレス(仮)はなかなかイケメンのイタリア人で、アンジェリーナ(仮)はベトナム人です笑
また香織(仮)もアンジェリーナ(仮)も密かにゴンザレス(仮)のことを「いいな」と思っていたらしいんですが、残念ながらここでも得意の語彙力を駆使してまじめに一生懸命説明しようとする香織(仮)ではなく、自分の英語力のなさをユーモアでカバーしたアンジェリーナ(仮)に軍配が上がってしまいましたね。
ここから学べることは何か?
上で紹介した2つの例から学べることはなんでしょうか?
共通して言えることは、
- 日本人は外国人より「英語力」は高かった。
- 日本人は状況を「正確に」表現しようとした。
- 外国人は相手の「感情」をくすぐる反応をした。
- 外国人は限られた「英語力」を「テンション」や「ユーモア」でカバーした。
ということです。
どうですか?ここから日本人と外国人の違いがいろいろ見えてきませんか?
ええ。僕の考えでは、
日本人は多くの人が英語を話すということを「まじめに捉えすぎている」ため、なんでも一生懸命「正確に」伝えようとする傾向があると思います。
これは僕が英語を教えている生徒さんを見ていて常々感じることでもあります。
一方で外国人は自分の英語力の低さをものともせず、限られた語彙力を使って、また時には”hahahhaahha!!”や、”oohhhh!!!!”などの言葉ではない言葉を使って相手の心に訴えかけるアプローチがとても上手いと思うんです。
そしてあなたもご存じの通り、人間関係というのはもちろん言葉だけで築かれるものではなく、心を通じて形成されるものですよね。
これらの例からどちらが「相手の心を掴む」ことにおいて上手かということはもう疑いの余地はないと思います。
日本人が英会話上手になるためにはどうすればいい?
じゃあ、日本人はどうしたらもっと上手にコミュニケーションを取れるようになるんでしょうか?
その答えは簡単ですね。「日本人も相手の感情にアプローチすればいい」んです。
それは理屈で言えば簡単なことです。上手い事やっている外国人からそのスタイルを盗めばいいんですから。
でも、もちろん言葉で説明することと実際にやることは大きく違いますよね。
そこで、英会話をする際に日本人が気を付けたい点を僕なりにまとめてみました。今度英語を使って話すことがあったら是非試してみて欲しいと思います。
- まずは肩の力を抜いて、英語を話している自分を楽しんで!
- なるべく短い言葉(3~4語くらい)で端的に表現してみよう。
- “I love it!”、“I don’t like~”などの感情表現をたくさんしよう。
- 1回相手が期待しているだろうと思う答えと逆のことを言ってみよう。
- 表情、体を大きく動かしてリアクションは大げさに!
- 大爆笑の際のハイタッチやふざけすぎた時のツッコミも効果大!
- 相手の質問が聞き取れなくても聞き返さないようにしよう。
- その代わりズレててもいいから「これかな?」と思ったことを言おう。
- 「正しい英語」を意識すると固くなりがち。話す時は笑顔で!
- 出会った際、別れる際は握手やハグで心を通わせよう。
これは「僕自身の過去の経験+僕の英会話の生徒さんの体験」を元に僕が考え出した英会話10ヶ条です。
どれも意識すれば簡単にできることばかりですが、その効果は絶大です!
しかも日本人はそのまじめな性格から一般的に語彙力や文法のレベルが高い人も多く、そういった人ならばこの10ヶ条を意識することでよりコミュニケーションが上手になります。
もちろんどれも無料で、あなたの意識1つで出来てしまうことなのでよかったら一度試してみてくださいね。
ということで今日は僕が気づいた日本人と外国人の英語のコミュニケーション能力の違いについて話してみました。
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本気で英語力を伸ばしたいと思っている人には必ず役に立つ内容になっているので是非チェックしてみてくださいね。
CHECK!!
ということで最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!