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ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.14「KRS-One編」

僕がラップミュージックに出会ったのは小学校6年生の時だ。

当時よく行っていた地元のレンタルCDショップで、何を間違えたのか洋楽セクションに迷い込んでしまい、そこで何も分からずたまたま手に取ったCD(The Rootsの“Things Fall Apart”)を借りて家で聞いた時の衝撃は今でも覚えている。

このシリーズでは、約20年間ラップミュージックを聞き続けた僕が自分の大好きな曲の中から、「これは面白い!」と思ったフレーズや、英語の勉強になると思った歌詞を厳選してお届けし、一人でも多くの人にラップミュージックの魅力を知ってもらうと共に、音楽を聞きながら英語を勉強する楽しさを感じてもらえたらと思う。

それじゃ、早速今日のエントリーを見ていこう―――。

今日の名曲パンチライン

“Manhattan keeps on making it, Brooklyn keeps on taking it, Bronx keeps creating it, and Queens keeps on faking it”

-KRS-One, “The Bridge Is Over” (1987)

パンチライン徹底解説

今日のポイント
  • “keep on ~ing”という表現
  • ニューヨークの区について

今日のパンチラインは、1987年にリリースされたニューヨークはブロンクス出身のHip HopグループBDP (Boogie Down Productions)のデビューアルバム“Criminal Minded”に収録されている“The Bridge Is Over”という曲の一節です。

BDPのメンバーの一人であるKRS-Oneが放ったこのパンチラインを今日は、

  1. “Manhattan keeps on making it”
  2. “Brooklyn keeps on taking it”
  3. “Bronx keeps creating it”
  4. “and Queens keeps on faking it”

の4つのパートに分けて徹底解説していきたいと思います。

“Manhattan keeps on making it”

まず最初のラインですが、Manhattan(マンハッタン)は“keeps on making it”だと言っています。

この“keep on ~ing”というのは日常会話でも非常によく出てくる表現で、「~し続ける」という意味になります。

CHECK!

“keep on ~ing”という表現>

  • 「~し続ける」という日常英会話の頻出表現。「“keep”の後は必ず“-ing形”」という決まりでテストにもよく出る。単に“keep ~ing”という形でも使われる

“make”は「作る」ですが、“make it”という形で「成功する」という表現があり、ここではその意味で使われています。ちなみにこの“it”は「形式的な”it”」というもので、特定のものを指しているわけではありません。

なので、このラインは「マンハッタンは成功し続けている」という感じになります。

“Brooklyn keeps on taking it”

続いてはBrooklyn(ブルックリン)です。同じく“keep on ~ing”が使われていますが、今回は“taking it”となっています。

“take”は非常に多くの意味がある単語ですが、その基本的なコアイメージは「手にする」という意味で、ここでは上のマンハッタンと同じ文脈で使われているので「ブルックリンは名声を手にし続けている」という感じにしておきましょう。

“Bronx keeps creating it”

続くBronx(ブロンクス)ですが、今度は“creating it”となっていますね。

“create”は「創造する」という意味なので、ここまでの流れ通りに行くと「ブロンクスは創造し続けている」という感じで良さそうです。

ただ、実はこの部分がこのパンチラインの一番重要な部分で、この“create”という言葉にはHip Hopを「創造する」という意味も込められています。

というのも、このKRS-Oneを擁するBDPの出身地であるニューヨークのブロンクス地区(厳密にいえばサウスブロンクス地区)はHip Hopが誕生した場所と言われていて、このラインではそのHip Hop生誕の地ブロンクスから「新しい音やスタイルが創り出されている」というニュアンスが込められているんです。

“and Queens keeps on faking it”

最後にQueens(クイーンズ)ですが、“fake”は「フェイク/偽る」なので、「クイーンズは偽り続けている」という感じになります。

実はこの“The Bridge Is Over”という曲は、ニューヨークのクイーンズ地区にある“Queensbridge”という巨大な団地出身のアーティストであるMC ShanMarley Marlを擁するJuice Crewというライバルグループへ向けたディスソングで、「”The Bridge” (Queensbridge)は終わった」とラップしているんですね。

豆知識

なぜディスっているのかというと、KRS-OneJuice CrewMC ShanがHip Hopの誕生の地は”Queensbridge”だと主張したと受け取ったからです。

また、上のそれぞれのラインでManhattan、Brooklyn、Bronx、Queensという名前が出てきていますが、これらはニューヨーク市内にある地区の名前で、これらにStaten Islandを加えた5つの区がニューヨーク市を構成する行政地区となります。

CHECK!

<ニューヨークの区について>

  • ニューヨークと聞くと真っ先に「マンハッタン」が頭に浮かびがちですが、ニューヨーク市はManhattan(マンハッタン)、Brooklyn(ブルックリン)、The Bronx(ブロンクス)、Queens(クイーンズ)、Staten Island(スタテンアイランド)の5つの区から成っています

まとめ

ということでこれらのラインを全て繋げてみると、

  1. 「マンハッタンは成功し続けている」
  2. 「ブルックリンは名声を手にし続けている」
  3. 「ブロンクスは創造し続けている」
  4. 「クイーンズは偽り続けている」

となるので、

“Manhattan keeps on making it, Brooklyn keeps on taking it, Bronx keeps creating it, and Queens keeps on faking it”

「マンハッタンは成功者、ブルックリンはやり手で、ブロンクスはHip Hopの創造主だ。お前らクイーンズはフェイク野郎だ」

という感じにしてみました。ええ、完全にディスってますね笑

字面だとQueensそのものをディスっているように見えますが、これはあくまでも「”Queensbridge”団地出身のJuice Crewの奴ら」に対してのディスソングだということには注意が必要です。

ちなみにこのBDPとJuice Crewとの“beef”「ビーフ(=バトル)」は“The Bridge Wars”というHip Hop初期の一大ムーブメントへと発展していき、この後いく度となく互いのサイドからの「口撃」が展開されます。

さらに同曲の後半では、KRS-OneはJuice Crewの他のアーティスト(Mr. MagicRoxanne Shanté)にもその矛先を向けていて、

“I finally figured it out, Magic mouth is used for sucking”

「ついに突き止めたがMagicの口はしゃぶるのに使われている(=ホモだ)」

 

“Roxanne Shante is only good for steady fucking”

「Roxanne Shanteはセフレくらいがちょうどいい」

 

“MC Shan and Marley Marl is really only bluffing”

「MC ShanとMarley Marlは強いふりしてるだけ」

 

“Like Doug E. Fresh said ‘I tell you now, you ain’t nothing’”

「Doug E. Freshが言ったように、”言ってやるよ、お前らなんかクソだ”」

と、まるで口が悪い小5男子のようなディスを披露しています笑

曲はこちらで聞けるのでよかったらチェックしてみてください(該当部分は1:10辺りからです)

上では小5レベルの内容の悪口を吐き出しているKRS-Oneですが、そのフリースタイルを始めとするラップスキルはものすごく、Hip Hop史上最高のMCの一人であることは間違いありません。KRS-Oneはこの他にもたくさんの名パンチラインを残しているので、そのうちこのシリーズでも取り上げたいと思います。

また、この“The Bridge Wars“はHip Hopファンなら絶対に知っておくべき歴史上非常に重要な出来事です。(日本史で言うところの「大化の改新」くらい重要です笑)

Hip Hopの誕生から当時のバトルの背景など、こちらも機会があればそのうちまとめてみたいと思います。

ということで、これを機にラップに興味を持った人や、僕のように「洋楽から日常で使える表現を学びたい!」と思った人は彼らの音楽も是非チェックしてみてくださいね。

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はい。ということで、今回の「ラップ名曲パンチラインに学ぶ英語特集」はいかがだったでしょうか?これからも素晴らしきラップミュージックの魅力をお届けすると共に、あなたの英語学習の助けになれれば光栄です。

前のエピソードや次のエピソードも気になる!という方はそれぞれこちらからどうぞ。

<前のエピソード>

ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.13「The Notorious B.I.G.編」

<次のエピソード>

ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.15「2Pac編」

また、第1回から見てみたい!という方がいましたらこちらからチェックしてみてください。 

それではまた!