【徹底解説】ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語Vol.5

sampling

アメリカのラップミュージックを聴き始めてもうかれこれ20年くらいになる。

昔のものからわりと最近のものまでいろいろ聴いているが、いまだにストレートで強烈なメッセージやユニークでウィットに富んだリリック(歌詞)を見つける度に1人でニヤリとしたり、何度も頷いたりしている。

このコラムでは、最近ラップを聞き始めた人がラップミュージックの魅力に気づいてくれたり、また自分のようにラップのリリックから英語に興味を持ってくれる人がいたら嬉しい、という思いから、ヒップホップ界の先駆者たちや、わりと最近のアーティストのリリックの中から、「これはやられたっ!」と思わず唸ってしまうようなエッジが効いてオリジナリティが溢れるパンチラインを紹介していこうと思う。

それじゃ、早速今日のエントリ―を見ていこう。

名曲パンチラインはコレ

Apply yourself, to supply your wealth. Only limitations you’ll ever have are those that you place upon yourself

 (訳:富を得るには自らをそれに専念させることだ。自分の限界というのは自分自身で課しているだけにすぎない)

-GLC, “Poe Man’s Dreams” (2011)

f:id:bigtree1000:20180415120153j:plain

徹底解説

今回は2011年にリリースされたKendrick LamarというLos AngelesはCompton出身のラッパーの “Section 80” というアルバムの1曲から。比較的新しい曲ですね。

MEMO

このパンチラインは、曲のアウトロ部分でGLCというChicago出身のラッパーが言っているフレーズです。ちなみにGLCは “Gangsta Legendary Crisis” の略で、本名はLeonard D. Harrisというそう。

以下では内容を、

  1. “Apply yourself, to supply your wealth”
  2. “Only limitations you’ll ever have are those that you place upon yourself”

に2つのパートに分けてそれぞれ細かく見ていきましょう。

“Apply yourself, to supply your wealth”

まずは前半の部分からですね。

“Apply oneself” で「~に専念する」という意味になるので、ここではあなた(聞き手)に「専念しろ」と言っています。

何に専念するのかというと、その後の “to~” で説明していますが、”supply”「供給」、”your wealth”「あなた自身の富/財産」なので、「自分自身の富を供給するためには専念しろ」という感じです。

MEMO

ちなみに、ここで言う「富」とは「金銭的な富」と、「精神的に富むこと」の両方のことを言っていると解釈することができます。

“Only limitations you’ll ever have are those that you place upon yourself”

そうしたら次は残りのパートを見てみましょう。

先に言ってしまうと、”Only ~ have” までが主語となります。

“only” は「唯一の」でいいですね。”limitations” というのは「限界」とか「制限」のこと。どんな限界かというのが直後の “you’ll ever have” で説明されていますが、”ever” というのは「強調」の目的で入っています。なので、”ever” 抜きで考えてみると、’you’ll (you will) have” で、意味は未来を表す “will” が使われているので「あなたが持つだろう」となります。

ここまでで、「あなたが持つだろう唯一の限界は」です。

そして “those that you place upon yourself” ですが、”those” というのは「それら」という意味。

どこからいきなり「それら」が飛び込んで来たんだ、と思うかもしれませんが、実はこの “those” は直前に出て来た “limitations” を置き換えているんです。

なので、”those” の部分を “limitations” と置き換えても全く同じ意味になりますが、英語というのは同じ単語を繰り返し使うことを避ける傾向にあります。そのためここでは “limitations” という「複数形の単語」を「“that” の複数形である “those”」で置き換えているんですね。

複数形の単語には複数形の代名詞を使うというのは英語の基本ですね

“those”=”limitations” なので、じゃあどんな “limitations” なのかというのが次の “that” 以降で説明されていますが、”place” は「場所」という名詞でもありますが、ここでは「置く」という動詞で使われています。“upon” は=”on” でいいでしょう。

なので、「あなたがあなた自身に置く」という意味になり、ここ全体で、「あなたがあなた自身に置く(課す)限界」という文が完成です。

まとめてみよう

はい、そうしたら最後に前半と後半部分の全部のパーツをくっつけてみましょう。そうすると、

  1. 「富を供給するためには専念しろ」
  2. 「あなたが持つだろう唯一の限界は」
  3. 「あなたがあなた自身に置く(課す)限界」

という感じになるので、

 “Apply yourself, to supply your wealth. Only limitations you’ll ever have are those that you place upon yourself”

「富を得るには自らをそれに専念させることだ。自分の限界というのは自分自身で課しているものにすぎない」

という感じにしました。その通りですよね。

まあ要するに「自分の限界を自分で決めるな。その気になれば何だってできる」という誰もが一度は聞いたことがある非常にポジティブなメッセージですが、この形はGLCというラッパーのオリジナルで、とてもシンプルでかっこいいなと思ったので今回のパンチライン特集でスポットライトを当ててみました。

もちろん”yourself”, “wealth”と最後にまた”yourself”で韻を踏んでいるところがポイントですね。

すごく説得力があってかっこいいです

良かったらこちらからチェックしてみてください。(該当の部分は3:54辺りです)


はい。ということで、今回の「ラップ名曲パンチラインに学ぶ英語特集」はいかがだったでしょうか?これからも素晴らしきラップミュージックの魅力をお届けすると共に、みなさんの英語学習の助けになれれば光栄です。

第一回から見てみたい!という方は是非こちらからチェックしてみてください。 

cassette 【徹底解説】ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語Vol.1

それではまた!