【徹底解説】ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語Vol.7

turntable

アメリカのラップミュージックを聴き始めてもうかれこれ20年くらいになる。

昔のものからわりと最近のものまでいろいろ聴いているが、いまだにストレートで強烈なメッセージやユニークでウィットに富んだリリック(歌詞)を見つける度に1人でニヤリとしたり、何度も頷いたりしている。

このコラムでは、最近ラップを聞き始めた人がラップミュージックの魅力に気づいてくれたり、また自分のようにラップのリリックから英語に興味を持ってくれる人がいたら嬉しい、という思いから、ヒップホップ界の先駆者たちや、わりと最近のアーティストのリリックの中から、「これはやられたっ!」と思わず唸ってしまうようなエッジが効いてオリジナリティが溢れるパンチラインを紹介していこうと思う。

それじゃ、早速今日のエントリ―を見ていこう。

名曲パンチラインはコレ

Bust a nut inside your eye to show you where I come from

(訳:おれが誰だか教えるために目の中に射精してやるよ)

-Phife Dawg, “Scenario” (1991)

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徹底解説

おっと、ものすごいことを言い出しましたね笑

MEMO

これは1991年にリリースされたA Tribe Called Questの2ndアルバム”The Low End Theory”に収録されている”Scenario”という曲の一節です。

A Tribe Called Questといえばニューヨークを代表するヒップホップグループで今でも第一線で活躍している僕も大好きなアーティストですが、そのメンバーの一人であるPhife Dawg(R.I.P)がいきなりとんでもないことを言い出しました笑

とても短いラインですが、Phife Dawgのユーモアがぎっちり詰まっていて面白いと思ったので紹介します。

以下でそれぞれの部分について見ていきましょう。

“Bust a nut”

まず、”Bust a nut”についてですが、これは完全にスラングで、「射精する」という意味になります。ええ、「射精する」です。

“bust”はもともと「破裂させる」という意味があり、”nut”は木の実の「ナッツ」のことなので、もちろん「木の実を破裂させる」という意味にも解釈できますが、ここでは違います。

実は、「ナッツ」はスラングで「キン◯マ」という意味があります。うん、なんとなくわかりますよね。

イメージだとクルミくらいですかね?笑

なので”Bust a nut”=「キン◯マを破裂させる」で、「射精する」になります。

ちょっと面白いのは、キン◯マは通常2つで1セットですよね。なので細かい人は“Bust nuts”が正しいんじゃないかと思うかもしれませんが、実際は“Bust a nut”という風に”nut”を単数形にするのが正解です。

なんでですか?

なぜかはわかりません。この言葉を作った人がたまたまタマが1つしかなかったのかもしれません。

“inside your eye”

はい、次は”inside your eye”についてですが、これは特に説明することがありません。普通に「あなたの目の中」という風に訳せばいいと思います。

“to show you where I come from”

そしたら最後の”to show you where I come from”の部分についてですが、”to show you”は「あなたに見せるために」とか「教えるために」くらいでいいでしょう。

何を教えるのかというと、”where I come from”、すなわち「おれがどこから来たか」です。

はい、そして実はココがPhife Dawgの言葉遊びが詰まっている部分なんですが、”come”という言葉で、

  • “come”「来る」
  • “cum”「イク(射精する)」

と発音が一緒の2つの言葉をかけていて、「おれがどこから射精したか教えてやるよ」という意味にもとれるんです。

なるほど。「来る」と「イク」をかけてるんですか

実際目ん玉に射精したら、そりゃあ出てくる瞬間はよく見えるでしょうね笑。

うぅーー。イタイ笑

そしてさらに、「精子」というのはその人自身の起源、つまりアイデンティティですよね。あなたも私も、人間はみな精子から始まります。

なので、「おれの精子を見ればおれがどこから来たかわかる」ということになり、まぁ実際にニュアンスとしては「どこから来たか」というよりは「おれがどんな人間か」=「おれ様が誰であるか」というような感じでしょう。

sperm

まとめてみよう

ということでこれらを全てを繋げてみると、

  1. 「射精する」
  2. 「おまえの目の中に」
  3. 「教えるために」
  4. 「おれが誰であるか」

となりまとめると、

 “Bust a nut inside your eye to show you where I come from”

「おれが誰だか教えるために目の中に射精してやるよ」

という感じになります。強烈ですね笑

・・・実際された人はいるんですかね笑

良かったらこちらからチェックしてみてください(該当箇所は0:44辺りからです)

ラップ通向け補足情報

ちなみに、こんなサイコパス的な発想と独創的で誰にも真似できないラップスタイルを持ったPhife Dawgなんですが、長いこと糖尿病と闘った後、2016年に45歳の若さでこの世を去っています。

またもともとA Tribe Called QuestはPhife Dawgとその幼少期からの友人であるQ-Tipによって1985年に結成され、後にメンバーが加わっていきましたが、1998年にメンバー同士の仲違い(主にPhife DawgとQ-Tip)が原因で解散しています。そして2006年に再結成しツアーを行った後、2016年にグループとして最後のアルバムをリリースしていますが、Phife Dawgがリリース前に突如なくなったため、アルバムは彼の死後に残りのメンバーによって完成されています。


はい。ということで、今回の「ラップ名曲パンチラインに学ぶ英語特集」はいかがだったでしょうか?これからも素晴らしきラップミュージックの魅力をお届けすると共に、みなさんの英語学習の助けになれれば光栄です。

第一回から見てみたい!という方は是非こちらからチェックしてみてください。 

cassette 【徹底解説】ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語Vol.1

それではまた!